みんなの医療セミナー 1 | 糖尿病パンフレット 〜忍び寄る生活習慣病〜 | ・・・霊黄参・・ | |
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食事はゆっくりと | 妊娠すると、胎児は胎盤を通して母体から栄養や酸素をもらいます。胎盤からは、妊娠を順調に進めるためのホルモンが分泌されていますが、これらのホルモンには、インスリンの作用を弱める働きがあり、同時に胎盤そのものもインスリンを壊す酵素をつくっています。 ですから、妊娠中はより多くのインスリンが必要となります。 必要な量のインスリンが分泌されないと、妊娠をきっかけに糖尿病が発症することがあります。 また、妊娠前から糖尿病がある女性の場合は、血糖のコントロールが不十分なまま妊娠すると、母体や胎児・新生児に影響が出てきます。 インスリンが1921年に発見され、翌年、臨床に応用されるようになる以前は、糖尿病の女性が妊娠することは不可能でした。実際、たとえ妊娠しても死産に終わるか、結核や糖尿病性昏睡で母子ともに命を失うことが多々あったのです。 わが国でも、最近まで糖尿病の女性が妊娠するとたいへん危険と言われてきました。そして、血糖値を良い状態に保ち、問題なく妊娠できる人の場合でも、妊娠は不可能であるかのような、誤った認識がまかり通っていました。しかし、現在でも妊娠中に糖尿病があることに気がつかなかったり、糖尿病であっても正しい治療を受けなかったために、子宮内胎児死亡や新生児死亡という不幸な結果になる人も少なくありません。 現在、糖尿病の治療は著しく進歩しており、血糖値を正常に保っていれば、妊娠・出産も心配ありません。そのためにも正しい知識を身につけておくことが大切です。 「計画妊娠」とは、妊娠して大丈夫か合併症等をチェックし、糖尿病のコントロールを正常な人と変わらない状態まで治療して受胎することをいいます。母子ともに、無事出産にこぎつけるためにも、計画妊娠についての理解を深める必要があります。 妊娠中の糖尿病の治療は妊婦を中心に、医師(内科医、眼科医、産婦人科医、新生児科医)、教育ナース、栄養士、助産婦などがチームを組んで行う必要があるため、その医療体制の整った病院を選びましょう。 インスリンの分泌を大きく二つに分けると「基礎分泌」と血糖上昇に合わせて分泌される「追加分泌」です。健康診断では普通、空腹状態での血糖値を測ります。 このときは正常だが、食事によって血液中の糖分が増えるとそれを処理するためにインスリンが大量に追加されます。 糖尿病の初期は、「追加分泌の遅れ」や「分泌量の低下」という形で現れることが多い。 この状態は高血糖を持続させ、長引けばやがて本当の糖尿病になってしまいます。 少ない量のインスリンで済むように膵臓をいたわらなければならりません。 まず運動する習慣をつけ、インスリンの効き目を高めることができれば、高血糖は予防されす。 もう一つは食事です。摂取する糖質の量を抑える、あるいは血糖にブドウ糖が流れ込むスピードを遅らせることです。 特に過食を原因とする多くの糖尿病、もしくはその予備軍では「食の感受性が低下している」と指摘されています。 つまり「味わって食べる」習慣を喪失し、「飲みこむ食事」が普通になっています。 大量の食事を一気に取ると血糖は急上昇します。 すい臓はおおわらわでインスリンを分泌して対抗します。 この状態が続くとインスリンの働きが悪くなり、高血糖が続くことになります。 高血糖は動脈硬化を促進するとともに膵臓自身をも弱らせます。 この悪循環を断つためには、腸における糖の吸収をゆっくりとさせる食事をとることです。 血糖値を十分コントロールできている糖尿病患者に一食15分以内の早食いをしてもらったところ、食後高血糖が出現したという研究報告もあります。 ゆっくありと味わって食べることは、じっくり咀嚼する行為でもあります。 咀嚼は脳の満腹中枢を刺激し、過食を防止します。 実際、糖尿病患者はそうでない人に比べ咀嚼力が低下していると言う論文もあるほどです。 咀嚼による信号が満腹中枢を刺激するのは20〜30分後。その前に食事が終わってしまうことが現代人には多いのではないでしょうか。 |
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