頭痛について
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● 頭痛の種類
  ● 危険な頭痛  ● メカニズム  ● 治療と予防  ● 薬剤誘発性頭痛
●頭痛の種類
 国際分類では、頭痛は13種類に分類されており、 大きくは機能性頭痛症候性頭痛に分けられています。まずは、症候性頭痛について説明します。脳などの疾患が原因で起こる頭痛を「症候性頭痛」と言います。
 国際分類によると、症候性頭痛は大きく外科的、内科的、その他に分けられます。
 外科的疾患では、Dの頭部外傷、Eの血管障害、Fの脳腫瘍など頭蓋内疾患によるものがあり、これらは脳神経外科、神経内科で扱うことになります。
 一方、内科的な症候性頭痛には、Gの薬物あるいはその離脱によるもの、Hの感染症(髄膜炎など)、Iの代謝障害(低血糖など)によるものがあります。  その他の症候性頭痛には、Jの眼・耳・鼻、口腔疾患によるもの、Kの神経痛に伴う頭痛があり、Lには以上のどれにも分類できない頭痛があります。
 一方、機能性頭痛は、疾患などの原因がないのに頭痛が繰り返して起こることからこの名がつけられており、慢性頭痛、頭痛持ちの頭痛ともいわれます。
機能性頭痛は通常、生命を脅かすことがないことから、「善玉頭痛」とも呼ばれ、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがこれに含まれます。
 また、実際には、これらの混合型、慢性連日性、薬物誘発性など、さまざまなタイプがみられることもあります。
<頭痛の国際分類>
機能性頭痛 @片頭痛
A緊張型頭痛
B群発頭痛
Cその他の器質的異常を伴わない頭痛
症候性頭痛 外科的 D頭部外傷に伴う頭痛
E血管障害に伴う頭痛
F脳腫瘍など頭蓋内疾患に伴う頭痛
内科的 G薬物による頭痛
H感染症による頭痛
I代謝障害に伴う頭痛
その他 J眼・耳・鼻、口腔疾患に伴う頭痛
K神経痛に伴う頭痛
その他 L分類できない頭痛
※ 機能性頭痛の代表は、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛の3つで、機能性頭痛三兄弟と呼ばれます。
●薬剤誘発性頭痛
 最近、最も問題となっているものに、「薬剤誘発性頭痛」というものがあります。
 薬剤誘発性頭痛とは、エルタゴミンや鎮痛薬の過剰な運用が頭痛の原因、あるいは悪化要因となっている頭痛のことをいいます。鎮痛薬を毎日服用しているある患者さんは「痛みを抑えるために毎日飲むようになったら、次第に効かなくなり、前よりひどくなった」と訴えました。これが典型的な薬剤誘発性頭痛の症状です。
 これをたとえていいますと、こういうことです。
「痛みのブロックは、本来、頭の痛みの守衛さんの役割ですが、頭痛がひどく、手に負えなくなると派遣ガードマン(鎮痛薬)を呼びます。ところがそれが重なると、守衛さんが楽をしたいがために頻繁に派遣ガードマンを呼びつけ、騒ぐようになります。これが薬剤誘発性頭痛です。」
 この状況を改善するためには、原因薬剤を止めることが大切です。しかし、鎮痛薬やカフェインなどは配合されている鎮痛薬はなかなか止めにくく、依存性が作られている場合があります。
 
 では、薬剤誘発性頭痛を防ぐためには、どうしたらいいのでしょう。
 まず、過剰に運用しないことが一番です。どのような薬剤でも「月10回」までの使用であれば、薬剤誘発性頭痛に移行するリスクは少ないといえます。
 また、複数の成分が入っている配合剤は薬剤誘発性頭痛の危険性がより高いので、できれば単味の薬剤が勧められます。
 「単味剤を、月10回までに」これが、薬剤誘発性頭痛を防ぐポイントです。
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