白虎加人参湯
びゃっこかにんじんとう



白虎とは、中国の四方を守る四神獣の一つで西方を守る神のことです。
すなわち西日の強いうっ熱を中和する意もあり、また本方の主薬の石膏は白色で、白虎の名があり、漢方でいう涼薬として代表的な生薬です。
この漢方薬は、漢方の原典といわれる「傷寒論」「金匱要略」に収載されている薬方です。
熱性疾患であって体質的には体液が欠乏して、体力的に疲労が加わってきたときの症状で、口内乾燥し、口渇がひどく水を飲みたがり、体に灼熱感があったり、局部的な皮膚の熱感やかゆみなどが現れたりするものに用います。のどの渇きと ほてりのあるもの


【 組 成 】
石膏15.0、粳米9.0、知母5.0 人参3.0、甘草2.0

清熱生津の白虎湯に補気生津の人参を配合し,熱盛による気津両傷に適用します。

【 効 能 】
   清熱瀉火・生津止渇・補気

【 適応症 】
   気分熱盛(陽明病経証)で、息ぎれ・無力感・疲労感などの気虚の
   症候をともなうもの。
   舌質は紅で乾燥・舌苔は黄・脈は大で無力。
   日射病・熱射病などで熱感・口渇・多汗・息ぎれ・無力感を呈する
   ものにも用いる。

【  臨床応用 】
   白虎湯に準じ、脱水と気虚をともなうもの。

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