高血圧読本

治療

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 高血圧の治療は血圧値やその他のリスクを層別化して行う。
 基本は生活習慣の改善であり、それで改善されない場合は重傷度に応じて薬物投与を行う。

 
目標! 最高血圧140oHg未満/最低血圧90oHg未満
(注意:高齢者や合併症を持っている人は、目標血圧が必ずしもこの値ではありません。)
 

 

■生活習慣の改善(一般療法、非薬物療法)

 高血圧症は生活習慣病のひとつであり、生活習慣の改善により高血圧を予防するだけでなく、降圧作用も期待できる。
 生活習慣の改善として、禁煙、適度な運動、塩分制限、アルコール制限、コレステロールや脂肪酸の摂取制限、
肥満改善などを行う。
 

        生活習慣修正の例
塩分制限 一日7g以下
アルコール制限 男:20〜30g(日本酒換算で約1合以下)
女:10〜20g
運動療法 有酸素運動(心血管病の無い患者が対象)
適正体重の維持 (身長×身長×22) で+20%を超えない

■薬物治療

 一般に、非薬物療法(生活習慣の改善)だけでは不十分な場合に開始する。
 あわせて、非薬物療法(生活習慣の改善)も行っていく。
 最初は降圧薬のなかの一種類を選択し、一日一回、低用量から始め、ゆっくりと降圧してゆく。
 治療効果が不十分な場合、薬物の併用、増量を行う。

 血圧降下薬の分類
 

降圧作用の特徴

下記合併症を持つ者に有効

禁忌

Ca拮抗薬 血管を広げる作用により血圧を下げる。 高齢者・狭心症・脳血管障害・糖尿病 妊婦
ヒドララジン 妊婦に使用可能  
ACE阻害薬 体内で血圧を上げる物質の働きを抑える。 高齢者・糖尿病・心不全・心筋梗塞・左室肥大・腎障害(軽度)・脳血管障害 妊婦
AU受容体拮抗薬 ACE阻害薬と同様
咳でACE阻害薬の使用できない患者
妊婦
利尿薬 体内の余分な水分や塩分を減らし、血圧を下げ、むくみを取り除く。 高齢者・心不全 糖尿病・高脂血症
β遮断薬 心臓の働きを抑える作用により血圧を下げる。 心筋梗塞・狭心症・頻脈 糖尿病・高脂血症
α遮断薬 血管を広げる作用により血圧を下げる。 脂質代謝異常・前立腺肥大・糖尿病